鈴木一誌

タイポグラフィには制約が必ずある。タイポグラフィは受け手に見られ、環境として生きられなければならない。その文字デザインが見られるのは、どのような環境でなのか。遠くからか近くからか、暗いか明るいか、歩きながらか立ちどまってか、机でじっくりと読まれるのか。読んでもらうのか、見てもらうのか。男か女か、年齢はどのくらいか、職業や国籍は、などである。文字を紙面に定着させるためにかかるコストもクリアしなくてはならない。紙の値段や何色で印刷するか。本ならば、サイズや、上製なのか並製なのかに代表される製本方式の仕様もだいじだ。